北海道で初の黒米(古代米)
拓殖大学北海道短期大学で開発した「きたのむらさき」は、北海道で唯一栽培されている黒米(古代米)品種です。厳しい自然環境にあるこの北の大地で、「きたのむらさき」が誕生するまでには、石村櫻名誉教授をはじめ研究員の十年有余の歳月にわたる試行錯誤の歴史がありました。
北海道の気候に適応した黒米、「きたのむらさき」が誕生するまで。
きっかけは今からおよそ30年前、石村名誉教授が中国雲南地方で栽培されている黒米を試食したことでした。「赤飯に似た見た目と風味のこのお米をなんとか北海道で栽培できないかしら」と考えたことから、石村名誉教授と研究スタッフの挑戦の日々が始まります。まずは、北海道短期大学の協力を得て黒米のお米を入手し、北海道のもち米を掛け合わせてみるも、はじめはなかなかうまく実りません。それからフィリピンにある国際稲研究所より100種以上もの黒米を入手し、北海道のもち米と交配させてみたところ、たった一つの品種だけ交配に成功したのです。「たんねもち」という品種と掛け合わせて交配に成功した品種を親に、毎年優秀な子孫を選別しながら掛け合わせ、1997年ついに「むらさき」という品種で、農林水産省に品種登録を申請するまでにいたりました。折しも古代米ブームが日本全国に広まっていて、品種改良を重ねて「むらさき」は「きたのむらさき」と改名しました。
その後も、研究を重ねた結果、うるち米として「メムさくらむらさき」という品種ができ、農林水産省に品種登録され、深川市を中心に「きたのむらさき」「メムさくらむさき」利用し、さまざまな形で商品として世に出回ることになりました。